経済産業省・国土交通省は自動運転の実証実験を全国数か所で行っており、その一つが福井県永平寺町です。その地で平成30年11月20日、「永平寺町での実証実験に学ぶラストマイル自動運転への期待と課題」という表題のシンポジウムが開かれ、私も有識者委員の一人として出席してきました

実証実験車に試乗できるというのが今回のシンポジウムの特徴の一つであり、私も試乗してみました!!

同実証実験は、公道での実験とはいいつつも他車の往来はほとんどなく、定められたルートを時速10キロ程度で走り、しかも路面に交差点であることなどの情報が埋め込まれているとのことでしたので、「自動運転」であることの実感はあまり湧かなかったというのが正直なところです。残念ながら、この体験からそれなりの速度で一般道路を走る自動運転車の姿を思い浮かべることはできませんでした。ただ、これは技術の限界というよりは慎重に実証実験を行っていることの帰結であり、致し方ないところなのでしょう。

私は自動車製造業者の製造物責任の検討という観点からこの事業に参加させて頂いておりますが、今回、路面にも情報が埋め込まれているという実験内容を見て、インフラ業者の責任というものも検討が必要であり、常に風雨や人の往来にさらされる路面の性格からして、実務的にはそちらの方が問題となることが多そうだという感覚を持ちました。実際の自動運転車導入環境がどのようなものになるかはまだ分かりませんが、そのような視点を気づかされたという意味で、有意義な経験でした。

ちなみに、私はかつて自転車でいろいろなところを回るのが好きで、日本のほとんどの都道府県に行ったことがありますが、福井だけは未踏の地でした。今回の福井訪問は自転車ではありませんでしたが、それでもついに全都道府県制覇です!そんな意味でも有意義な今回のシンポジウム参加でした。