〇事故報告
製品事故は、重大製品事故とそれ以外の事故に分かれます。
重大製品事故とは、製品事故のうち、製品事故のうち、死亡、重傷(治療に要する期間が30日以上のもの)、後遺障害残存、一酸化炭素中毒、あるいは火災発生などの重大な被害・結果が生じたものをいいます(消費生活用製品安全法施行令5条)。
この重大事故が発生した場合、製造業者・輸入業者は、当該製品の名称・機種・型式、事故の内容・人的被害、製造数量(・輸入数量・販売数量)を10日以内に消費者庁に報告する必要があります。
(報告書記入例(消費者庁HPより))
他方、重大事故でない場合には、このような消費者庁への報告義務はありません。但し、独立行政法人製品評価技術基盤機構(NITE)による情報収集・分析の観点より、NITEへの事故報告が要請されています。
(報告書記入例(NITE HPより))
〇事故原因の調査分析・再発防止措置の検討
報告後、なぜ製品事故が起きたのかの調査分析が必要となります。
これは主にNITEが行うことですが、製造業者・輸入事業者にも同調査への協力が必要となります。
また、仮に刑事事件になる場合には、警察による捜査の対象となり、その中で並行して事故原因の検討も行われることになります。
その調査分析結果に応じて、リコールを含めた事故再発防止策を検討することになります。
〇欠陥該当性の検討
その製品事故によって生じた被害について、自社が損害賠償責任を負うのかどうかの検討が必要となります。
これは製品に欠陥があったかどうかという問題ですが、多くの場合、使用者の単なる誤使用だったのかどうかが主要な検討事項となります。これは多くの観点からの検討が必要ですが、特に、どのような製品使用者層を想定していたか、指示警告の有無・内容が重要な検討要素となります。